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警察官に要注意!?プノンペンの治安、犯罪多発エリアと対策を在住者がご紹介!
プノンペンの治安が不安な皆さまに、カンボジア在住歴5年の筆者が2019年の統計をもとにアドバイス!治安の悪い地域を地図や画像つきで解説します。プノンペンで徒歩移動を避けるべき理由、さらに貴重品を盗られた後の保険金請求手続きに関する体験談もシェアいたします。
この記事に登場する専門家
越境ライター
どりあん
プノンペンで特に治安が悪い危険地域は?
皆さん、こんにちは。カンボジア在住の「どりあん」です。日本から友人知人がカンボジアに来るたびに「治安はどうなの?」と質問されます。
日本と比較すれば当然、カンボジアの治安は悪いわけですが、なかでも地域的にはプノンペンの治安が特に、田舎よりも悪いです。東南アジア全般に言えることですが、農村地域よりも大都市のほうが治安は格段に悪化します。
プノンペンに限ってみると、貧困層が住む地域は富裕層が住む地域よりも治安が悪化する傾向があります。
工場が多い西側地域、例えばプノンペン空港の周辺は主に貧困層が住むエリアです。またプノンペン中心部から見て川の対岸になる南東側も同様です。
プノンペンの治安は?【2019日本人被害の多発地域】
カンボジア人と異なる邦人の危険地域
では、日本人が犯罪被害に遭っている地域はどこでしょうか。それはプノンペンの中心部です。在住者にせよ旅行者にせよ、日本人の行動範囲は多くがプノンペンの中心部だから、です。
旅行者や出張者の主な滞在地域は、ホテルが密集しているドーンペン(DOUN PENH)区になります。王宮やセントラル・マーケットなどの観光スポットもドーンペン区です。
ゆえに2019年の犯罪統計を見ても、日本人がいちばん犯罪被害に遭っているのはドーンペン区になるわけです。
日本人がいちばん被害に遭う地域
なかでもセントラル・マーケットの東側にあたる、トンレサップ川の近くは歌舞伎町のような歓楽街で「リバーサイド」と呼ばれています。下のストリートビューをご覧ください。夜には外国人旅行者がこの地域に集中しますので、外国人狙いの悪人も集中します。
観光名所のナイト・マーケット(下のストリートビュー)もリバーサイドにあります。特にスリ被害が多数発生するのがナイト・マーケットです。行かれる際はスリ対策を入念にしてください。
リバーサイドの次に邦人の被害が多い地域
邦人が犯罪被害に遭っている地域としては、チャムカーモン(Chamkarmon)も挙げられます。外国人向けアパートメントが多いボンケンコン地区(boeung-keng-kang、略称はBKK)もチャムカーモンの一部です。
イオン1号店や日本大使館はチャムカーモンの東部に位置しています。
プノンペンの高級住宅街ボンケンコンですが、それゆえにお金持ち狙いの犯罪者もいます。2019年にはバルコニーから侵入された事例も報告されています。高級住宅街だから安全、という図式は成り立ちません。
暑い夜もありますが、窓の施錠はカンボジアの常識です。プノンペンに民泊でご滞在される方々は肝に命じてください。
プノンペンの治安被害ワースト第3位!いかさま
2019年の1-9月に在カンボジア日本大使館に届出のあった、日本人の犯罪被害で3番目に多かったのは「いかさま賭博詐欺」でした。
意外にお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はカンボジアの庶民は賭けトランプが大好きです。男性も女性も、子供でさえ小銭を賭けてトランプに興じています。カンボジアの庶民と親睦を深めたくて一緒にトランプで遊ぶのでしょうか?
手口はこうです。日本語で話しかけて親近感を醸し出して、自宅に誘います。賭けトランプで最初は少額ベットで日本人に勝たせ、高額ベットに変更していかさまで大金を巻き上げます。
基本的にシャイなカンボジア人は、見ず知らずの外国人に話しかけたりしません。まして自宅に誘うなど、普通はあり得ません。たとえ日本語が達者であっても、です。
プノンペンの治安被害ワースト第2位!すり・置き引き
邦人が遭遇する犯罪で次に多いのは強盗・スリ・置き引きです。
プノンペン中心部ではさすがにホールドアップのような強盗は多くありません。先に紹介しましたリバーサイドでは、食事中に座席横に置いたバッグやリュックサックの置き引きに要注意です。
マーケットのような人混みのなかにはスリがうろついています。リュックサックを刃物で切り裂いて中から財布等を抜き取る手口が多いです。
海外旅行保険請求の最難関【カンボジアの腐った警察】
2019年の被害実例
今春のこと。日本から友人がカンボジアに遊びに来てくれました。ところが同行してきた友人の友人が、オルセー・マーケットでスリにやられてしまいました。リュックサックを何かで切られるという典型的な手口で、財布を盗られてしまいました。
帰国後に海外旅行保険で保険金を請求したいということで、盗難証明書を発行してもらうために警察署に同行しました。さて、問題なのはここからです。
警察官に言われたこと
まず所轄署に行きました。(所轄署の場所を調べるだけでも大変です。)英語は通じません。カンボジアの警察官に英会話力は期待できません。そんなことだろうと、カンボジア人の妻を同行させていました。
警察が証明書を書くためには、オルセー・マーケットの盗難証明書が必須だ、と言われました。仕方なくオルセー・マーケットのセキュリティ事務所に行きました。ところが今度は、スリ被害の証人が必要だ、と突き放されてしまいました。
オルセー・マーケットでの顛末
係官と被害現場に行きました。なんと天井には防犯カメラがあるじゃないですか!これで一件落着、と安堵したのも束の間、カメラは壊れて作動していませんでした。
幸いなことに、買い物をした店の店員が顔を覚えていてくれて、事務所に同行はしてくれました。しかし店員もスリの現場を見ていたわけではありません。証拠は何も無いわけです。
そこで妻の出番。陰でこっそり5ドルのチップを渡したら、すぐに証明書を作成してくれました。
警察官も腐っている
オルセー・マーケット内の派出所に行き、「さぁ、証明書を書いてくれ」と頼むと、今度は「私の立場では発行できない」と言われました。警官いわく、以前保険金詐欺に自分たちの証明書が使われてしまったので、偉い人でなければ発行できないのだ、と。
挙げ句に「その人は今日、休暇中だから会えない。でも特別に会えるように口ききするから100ドルくれ!」と。警官が公然とワイロを要求してきたわけです。
ここで再度、妻の出番です。私たち日本人を一旦室外に出して、カンボジア人同士で交渉。結果ここも5ドルのアンダー・ザ・テーブルで、ようやく証明書を入手できました。
日本人だけで警察に行っても、話は通じないでしょうし、足元を見られて高額なワイロを要求される可能性も高いでしょう。
保険の請求に警察の証明書は必要ですが、プノンペンではハードルが高いです。
プノンペンの治安被害ワースト第1位!ひったくり
犯罪のなかでダントツの発生率
以前と比較して、昨今プノンペンで激増しているのは「ひったくり」です。2019年1-9月の統計では、第2位とした置き引きやスリ・強盗の2倍以上発生しています。
また地域や時間帯を問わず、ひったくりの被害は発生しています。
① 歩行中にバイクが接近してきてひったくられる。
② トゥクトゥク乗車中に、追い抜きざまバイクにひったくられる。
歩行中の対策
旅行ガイド本などではひったくり対策として、
・バッグはたすき掛けにする
・車道とは反対側にバッグを持つ
などと書かれています。しかしプノンペンではそのような対策をしていても強引に奪い取られた挙句に、怪我まで負う被害が発生しています。
対策として考えられることは以下のとおりです。
・荷物を極力持たない。
・後方への警戒を怠らない。
・徒歩で移動しない。
・路上でスマホやタブレットを操作しない。
・頑丈なリュックサック型を選ぶ。
トゥクトゥク乗車中の対策
小型も含めて、トゥクトゥクでの移動中にひったくられた挙句に、トゥクトゥクから転落して重傷を負ってしまったケースもあります。バッグをたすき掛けしていたのにバイクタクシーで移動中にひったくられて、引きずり回され負傷したケースもあります。
対策として考えられることは以下のとおりです。
・トゥクトゥク乗車中、荷物は背もたれと背中の間に挟む。膝の上に置かない。
・台数は少ないが配車アプリを利用してタクシーで移動する。
・バイクタクシーは利用しない。
プノンペンで徒歩移動を避けるべき理由
徒歩をおすすめしない理由①
ひったくりの説明で触れましたとおり、プノンペンの徒歩移動にはリスクがあります。そもそもカンボジアの人々は徒歩移動を嫌います。ゆえに徒歩移動している外国人は目立ってしまうのです。
日本の感覚では余裕で歩いていける距離であっても、トゥクトゥクで移動したほうがまだ無難です。
徒歩をおすすめしない理由②
もうひとつの理由は、歩道が歩道として機能していないからです。徒歩で移動しないカンボジア人の価値観でしょうか、歩道いっぱいに品物を並べていたり、テーブルを出していたり、車を停めています。徒歩の人は車道にはみ出てしまうところがそこかしこにあります。
また道路が渋滞していると、バイクが次々と歩道に乗り上げてきます。徒歩の人は歩道なのに後方に気を配らなければなりません。
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2019年に大量の一斉逮捕【プノンペンの治安と犯罪】
ディスコに居合わせた300名以上が逮捕
プノンペンの治安について、もうひとつ要注意事項があります。それは薬物です。
2019年2月、チャムカーモン区にあったディスコRock Entertainment Centreで、一度に312名が逮捕・拘留されるという事件がありました。50kgの薬物が押収されました。
検査結果が陰性だった70名ほどはその後、釈放されました。残りは陽性反応だった、ということです。プノンペン市役所はrockの営業許可証を剥奪しました。
プノンペンでは自分の身は自分で守る
自分が薬物に手出しをしていなくても、居合わせた人間はまとめて逮捕・拘留されてしまうことを承知しておいてください。
2018年にカンボジアでは8,000件以上の薬物事件が起きて、16,000人以上が逮捕されました。薬物の取引は、若者が集まる(大箱の)ディスコで行われるケースも多く、プノンペン当局は常に目を光らせています。リスキーな場所には近づかないことです。
急発展を遂げたプノンペンを肌で感じましょう!
カンボジアの、特に首都プノンペンの治安情報をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
治安上のリスクは、対策次第で大幅に低減できます。この記事が今後プノンペンを訪れる皆さまのご参考になれば幸いです。
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