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風車を見に行こう!世界遺産・キンデルダイク観光まとめ!風車群とザーンセスカンス風車村を訪ねて
オランダといえば誰しもが思い描く風車のある光景。広大な敷地にたくさんの風車が立ち並び、それらが風を受けて一斉に回る様子は圧巻です。ここでは、オランダにある風車が見れる観光スポット「キンデルダイク」と「ザーンセスカンス」をご紹介します!
この記事に登場する専門家
オランダ在住トラベルライター
あゆみん
オランダ観光のハイライトー風車のある風景
日本との時差がマイナス8時間、オランダからこんにちは。トラベルライターのあゆみんです!
オランダ観光の定番といえば、アムステルダムでの美術館巡りや世界最大のチューリップ畑などが挙げられますが、やはり一番イメージ深いのは「風車のある風景」でしょう。青空の下、そよ風に吹かれてたなびく緑の大地に佇む大風車は、とても存在感があります。
オランダでは、毎年5月の第2土曜日が「風車の日」になっており、オランダ中にある風車が無料で観光客に開放されています。
意外と知られていない風車の役割
風車自体の歴史は古く、最も原始的なものは古代エジプトで発明され、それが12世紀に十字軍によってヨーロッパに伝わり、やがてオランダにもたらされました。オランダ人と風車の歴史を紐解くと、13世紀まで遡るといわれています。
オランダには現在でも1,000基もの風車が残っており、古来より風車はこの国の人々の生活とは切っても切り離せない存在でありました。
というのも、オランダは国土の4分の1が海抜ゼロメートル以下で、最初から安心して住める土地が不足していたからです。オランダの歴史は長らく、水との闘いでした。
オランダ人は、この厄介な水を風車を使ってうまく排出して陸地にし、そこに家を建て、田畑を耕し、安心して住めるための国土づくりを行ってきました。風車はいわば、彼らが編み出した生活の知恵の結晶なのです。
「オランダ」を現地語で表すと、Netherland(=ネーデルランド)と言いますが、これは「低い土地」を意味しています。この国には、「世界は神が造ったが、オランダはオランダ人が造った」という諺があるぐらいで、水分を含んで湿った低い土地を、風車の力を借りながら干拓し、国土を拡大してきたのがオランダという国なのです。
あの作品はどこに?オランダで行くべき美術館&博物館はこれだっ!
世界有数のアート大国、オランダ。ゴッホにフェルメールにレンブラントなど、日本人もよく知っている画家たちも実は皆、オランダ出身なのです。九州ほどの面積しかないオランダですが、有名な美術館や面白い博物館がたくさん!アートが大好きな人は必見です!
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オランダ風車観光で有名な場所といえば
オランダ風車観光で有名なスポットいえば以下の2つ。
①ユネスコ世界遺産に登録されているキンデルダイクの風車群
②木靴ショップにチーズ工房まであるザーンセスカンス風車村
①19基もの風車が現存する世界遺産【キンデルダイクの風車群】
キンデルダイクの風車群の正式名称は、キンデルダイク=エルスハウトの風車網。計19基もの風車がまとまって現存しているのはオランダでもここだけ、世界最大規模を誇る風車地帯ということで、1997年にはユネスコ世界遺産にも登録されました。
キンデルダイクの風車群の観光スポット&見どころ
キンデルダイク観光は、地図左上のチケットオフィスのある地点から一番奥の博物館「Museummolen Blokweer(地図中央下)」まで、往復徒歩で2時間あれば十分行って帰ってこれます。
♪まずは映像で歴史をチェック!【Hulpgemaal De Fabriek】を訪れよう!
チケットオフィスを通過し、左手に見える橋を渡って右手に見える建物が「Hulpgemaal De Fabriek」。ここは、キンデルダイクの名前の由来や歴史、この地に根ざして生きる人々の様子を今に伝える映像館になっています。
♪風車内部が博物館に!中をのぞいてみよう
風車の中はどのようになっているかご存知ですか?実は風車は家でもあり、実際に中で人が暮らしていたのです。キンデルダイクには、今は博物館として当時の様子がそのまま展示されている風車が2つあり、風車とともに生きた人々の生活ぶりが垣間見えます。
▼博物館:Museummolen Nederwaad
※入場料は€9(€8)チケット内に含まれています
▼博物館:Museummolen Blokweer
※入場料は€9(€8)チケット内に含まれています
それにしても、自分の家が風車だなんて面白いですよね。どれも外観が同じなので、筆者は住人たちが自分の家を間違うことはなかったかと思うほどです。
♪ボートに乗って水上からの眺めを楽しもう!
キンデルダイクでは、水上ボートに乗って風車群を観光することも可能です。水上ボートは2種類あり、キンデルダイク内4つの停留所に停まるHopperと、一周回って帰ってくるCruiserがあります。どちらも所要時間は約30分。道路から見るのとは違った目線で風車観光ができるのでおもしろいですよ。
停留所付近の桟橋に次の出発時間が書かれているのでそこをチェックしてみてください。また、船の各程停留所の場所は上記にあげた地図のとおりです。なお、乗船料は€9(€8)チケット内に含まれませんのでご注意ください。
♪キンデルダイクの風車群、絶景写真スポットはここだ!
少し小さいですが、地図上に灰色のピンを打っている場所があると思います。この橋の上からMolenkade Overwaardの方向を見ると川沿いに並ぶ風車が綺麗に撮影できますよ。
施設情報
住 所:Molenkade Nederwaard 1, 2961 AS Kinderdijk
入場料金:公式HP内オンライン予約で€8、当日券なら€9
公式HP:https://www.kinderdijk.nl/
※博物館などの施設内には入らず、散策するだけなら入場無料。
※営業時間は季節によって異なるため、ここをチェック→https://www.kinderdijk.com/opening-hours/
アクセス
最寄のバス停:Molenkade
行き方:ユトレヒト中央駅(Utrecht Central station)から90番に乗車。所要時間は約90分。もしくは、ドルトレヒト中央駅(Dordrecht Centraal Station)から316番に乗車。所要時間は約40分。
最寄の水上バスの停留所:Kinderdijk Molenkade
行き方:ロッテルダムエラスムス橋(Rotterdam Erasmus bridge)から202番に乗船。所要時間は約30分。
水上バス公式HP:https://www.waterbus.nl/lijnen
②チーズ工房に木靴ショップも!【ザーンセスカンス風車村】
アムステルダム中央駅から4駅のところにあるザーンセスカンス風車村。村内には、オランダの伝統的な家屋や木靴工房、チーズ専門店、さらにはこの辺りの歴史がわかる博物館などが立ち並び、まるで村全体がテーマパークのようになっています。
ザーンセスカンス風車村の観光スポット&見どころ
ザーンセスカンス村は実はそれほど広くはありません。観光に必要な時間は半日か、もしくは、一つ一つの施設をじっくりご覧になりたいなら1日みておけば十分でしょう。
♪風車の迫力のある内部を見学
ザーンセスカンスには、キンデルダイクほどの規模はないものの、川沿いに何基もの風車がお行儀よく並んでいます。それぞれ中に入って見学もでき、普段は見ることのない内部の仕組みを眺めることができます。
勢いよく、そして力強く回転する歯車やその先に繋がる風車の羽根を間近で見ると、なかなか迫力がありますよ。
♪チーズ専門店で色々なフレーバーを試食【Catharina Hoeve】
チーズ作りに使われていた昔の道具などが展示された小さな博物館に併設される形で建っているチーズ専門店。ベーシックなチーズのほか、ガーリック風味のチーズやピリッと辛いチリ風味など、店内には多種多様なチーズが並びます。
あまりに数が多いので、どれを買おうか迷ってしまいますが、筆者的オススメはextra oldと表記のあるチーズ。チーズ本来が持つうまみとコクが凝縮されたような贅沢で美味な一品です。
♪木靴工房でお気に入りの一足を【Klompenmakerij】
天井までびっしりと敷き詰められた木靴たち。Klompenmakerijでは、様々なカラー・絵柄・サイズの木靴がお買い求めいただけます。これだけあればきっとお気に入りの一足が見つかることでしょう。
過去にはこんなおしゃれな木靴も製造されているのですね。しかもお値段驚きの€499(日本円で約6万円!)
そもそも木靴は酪農が盛んなオランダで、家畜に足を踏まれて大怪我をしないよう履かれていたもの。意外にも実用的だったことがわかります。
♪ザーンセスカンスの歴史を知ろう!【Zaans Museum】
かつてはオランダ有数の工業地帯だったザーンセスカンス村。この地域では、香辛料の製粉、塗料の生産、材木の切断、油の製造など工業用としての風車が数多く活躍していました。Zaans Museumでは、最盛期のザーンセスカンスの様子がわかる展示や村の歴史が学べます。
♪チョコレートショップやベーカリーミュージアムでおいしい体験を
ザーンセスカンスでは、チョコレートショップやベーカリーミュージアム、地ビールならぬ"地マスタード”の店など、食べ物に関連する施設もあります。特にベーカリーミュージアムでは、専用の釜で焼くできたてのお菓子がいただけると好評です。
施設情報
アクセス
最寄駅:Zaandijk Zaanse Schans
行き方:アムステルダム中央駅からSprinterで約17分、駅からは徒歩15分
キンデルダイクとザーンセスカンス、どちらに行くべき?
キンデルダイクの風車群とザーンセスカンス風車村、それぞれタイプの異なる「風車のある風景」をご紹介しました。
風車がメインの美しい原風景をご覧になりたい方は世界遺産のキンデルダイクを、風車だけでなくチーズや木靴など、他のオランダらしい要素もあわせて楽しみたい方や家族連れの方にはザーンセスカンスがおすすめです。
みなさんもぜひ、オランダ旅行のハイライトとも言うべく風車観光をお楽しみください。
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夫とふたり オランダ・アイントホーフェン暮らし〜from Eindhoven, the Netherlands〜
柿の種のピーナッツいらない人さんのブログです。最近の記事は「何事も動き始めるの遅いやつって見ててイライラするよな(画像あり)」です。
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