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ロシアの世界遺産!透明度世界一バイカル湖と神秘のオリホン島の魅力を詳しく解説!
ロシア南東部、シベリア地方に位置するバイカル湖。世界で最も深い古代湖として知られています。日本人の始まりの地とも言われているバイカル湖は、伝統的な信仰が息づくスピリチュアルな地でもあります。ここでは、バイカル湖に浮かぶ島、オリホン島の魅力・行き方を解説します。
この記事に登場する専門家
女性ソロトラベラー
あずさ
バイカル湖とは?
こんにちは!現在、バルト三国を旅しているソロトラベラーのあずさです。
2019年8月に、1ヶ月かけてシベリア鉄道でロシア横断の旅をしました。
その際、私の夢の地の一つである世界で最も深い湖、バイカル湖に行くことができました。
まるで海のようなスケールの大きさに圧倒されました。
この記事では、世界遺産バイカル湖(オリホン島)への行き方や、その魅力をたっぷりお伝えします。
バイカル湖とは、ロシア南東部、シベリア地域に位置する世界で最も深い湖。
面積は31,494平方キロメートル(琵琶湖の約46倍)、最大水深は1634m〜1741m。
世界で最も古い古代湖でもあり、元々海溝だったと言われています。
約3,000万年前に海から独立したそう。
貯水量も世界最大で、世界の凍っていない淡水の約20%がバイカル湖にあると言われています。
バイカル湖は、その美しさや生物の多様性から、1996年にユネスコの世界遺産に登録されました。
バイカル湖周辺に今でも受け継がれるブリヤートの文化
バイカル湖一帯には、ブリヤート人が住んでいます。
ブリヤート人とは、ロシアやモンゴル、中国などに住むモンゴル系の民族で、日本人とも顔立ちが似ています。日本人の起源がバイカル湖にあるという説もあるそう。
彼らは今でも独自のシャーマニズムを信仰しており、バイカル湖一帯のエリアには100人ほどのシャーマンがいます。
バイカル湖のオリホン島で目にしたカラフルな布が巻きつけられたこの13本の柱は、13柱の神を表しているそうです。
奄美大島に匹敵!湖で最も大きな島、オリホン島とは?
オリホン島の基本情報
オリホン島とは、バイカル湖に浮かぶ22の島の中で最も大きな島。
奄美大島に匹敵する大きさで、その面積は730平方キロメートル。
最も高いところで標高は約1,300mにもなり、島内には湖、タイガ、ステップ、砂漠があり変化に富んだ地形をしています。
世界遺産に登録されているエリアは立ち入りが制限されており、気軽に入っていくことができないようになっています。
島にはいくつもの現地ツアーがあるので、バイカル湖の自然を楽しみたい方は、ツアーに参加するのをおすすめします。
オリホン島最大の街、フジュル
オリホン島の最大の街はフジュル。
オリホン島の人口1,500人のうち、1,200人が住んでいるといいます。
観光業に従事している人も多く、ホテルやレストラン等の観光施設はこの街に集まっています。キャンプなどをしない限り、観光客はフジュルに宿泊することになるでしょう。
オリホン島 フジュルへの行き方
バイカル湖観光の拠点の街イルクーツク
バイカル湖やオリホン島の拠点となるのは、イルクーツクという街。
イルクーツクとは、ロシアのシベリア地方に位置する人口約59万人の大都市で、バイカル湖の西側に位置しています。
シベリア東部の工商・交通の要衝で、教会や文化施設の立ち並ぶ美しい街並みで知られています。
ここイルクーツクからは、オリホン島まで約300km。バスで片道6時間の道のりです。
バスで6時間、イルクーツクからオリホン島の行き方
イルクーツクからはオリホン島までは、毎日バスが7:30〜13:45の間に運行しています。
バスは中央市場の東側から出ています。
私は宿泊していたホステルでバスの予約をして、ホステルまでバスがピックアップしてくれましたが、結局中央市場で1時間ほど待ったので、中央市場まで行って乗った方が値段的にも良いのではないかと思います。
ホステルで予約してもらうと、仲介料なども込みで1200ルーブル(約2000円)でしたが、自分でアレンジメントすれば500〜600ルーブル(800〜1000円)でバスに乗ることができます。
また、少し値段は上がりますが、より乗り心地の良いバスを選ぶことも可能。
Olkhon Expressというバス会社で、より見やすいWebサイトが特徴的です。
※Olkhon Expressのバスの値段や時間、予約はこちらのサイトで行うことができます
ちなみに、ロシアの道路の状態は悪く、その上かなりの速度で飛ばすものだから、ボンボン跳ねます。酔いやすい方は酔い止めを飲んでおきましょう。
途中で一度トイレ・食事休憩を挟みますが、それ以外はバスはノンストップ。
そのため、バスに乗る前は紅茶やコーヒーを摂取しないこと、水や軽食を用意しておくことをお勧めします。
バス料金には、オリホン島へ渡るフェリー代も含まれています。
このフェリーから見る景色も、とても素晴らしいものでした。
冬は凍った湖の上をバスでそのまま渡るそう。ぜひ冬にも来てみたいですね。
文化や自然を満喫!オリホン島ですべきこと5選
①文化を知る【連綿と受け継がれるシャーマニズムを垣間見る】
海沿いを歩いていると、よくカラフルな布が巻きつけられた木や木製の柱を見かけます。
これは、ブリヤートのシャーマニズムに根ざしたもの。
ソビエト時代の約70年間、コミュニズムに反するとしてシャーマニズムは禁じられており、その期間はシャーマニズムは途絶えていましたが、ソビエト時代が終わり、宗教が自由になると、彼らの信仰は再び蘇りました。
バイカル湖一帯のエリアには、100人ほどのシャーマンが今でも存在しているそうで、タイミングが合えば彼らの儀式を見ることができるかもしれません。
②エクスカーションに参加【島の最北端、ホボイ岬へ行く】
オリホン島は奄美大島に匹敵する広さの島。
徒歩では見所を巡り切ることができません。そのため、エクスカーション(1dayツアー)が人気。
その中でもメジャーなのが、オリホン島の最北端、ホボイ岬を訪れるツアー。
ホボイ岬からは、バイカル湖の世界遺産に登録された美しい景色を臨むことができます。
このエクスカーションは車を使ったツアーで、6〜8時間かかります。
値段は3,000ルーブル(約5000円)ほど。
③サイクリングを楽しむ【自転車で島を縦断】
オリホン島では、サイクリングしている人を多く見かけました。
最大の街フジュルでは、自転車をレンタルする場所を簡単に見つけることができます。
自転車を使えば、フジュルの位置する南側から、北側へ行き、バイカル湖のメインパートを目にすることも可能です。
オリホン島は交通量が少なく、サイクリングには適した島。
ぜひ、食べ物と十分な水を持って、1日かけて島を探索してみてください。
④ビーチでくつろぐ【世界一澄んだ水で泳ぐ】
なんとバイカル湖では、泳ぐこともできます。
とても綺麗な水なので、泳いでいる途中に飲み込んでしまったも大丈夫だそう。
私が訪れた時はあいにくの天気でしたが、それでもビーチでくつろいでいる人を見かけました。
また、ビーチにはバーニャ(ロシア版サウナ)も設置されています。
まだトライしたことのない人は、試してみてはいかがでしょうか。
⑤食べる【名物ボズィを食べる】
ブリヤートの名物といえば、ボズィ(Buuz、Buuza)という中に肉の入った蒸し餃子。
ロシアのブリヤート、モンゴルで食べられており、ルーツは中国にあるそうです。
通常は、羊肉か牛肉のミンチにニンニク、玉ねぎ、塩コショウを加え、皮に包んで蒸したもので、場合によってはポテトや野菜、お米が入っていることもあるそう。
オリホン島やイルクーツクで、ボズィを出しているレストランをよく見かけました。
この地域ならではのものなので、ぜひ見かけたら食べてみてくださいね。
バイカル湖の環境問題
世界遺産バイカル湖は現在、汚染の危機にさらされています。
過去10年間に、セレンガ川(バイカル湖に流れ込む河川の一つ)を通じて15,000トン以上の有毒廃棄物がバイカル湖に流れ込んだとのこと。また、セレンガ川の流れる工業都市、ウラン・ウデからは、毎日5,600万リットルの汚水が川に放出されているそうです。
さらに、最終的には取り消されましたが、一時、中国の投資でバイカル湖畔にミネラルウォーター製造工場の建設計画が持ち上がったこともあります。その際はロシア全土で反対運動が巻き起こったそうです。
世界全体の20%もの淡水の存在する美しいバイカル湖は、ガラパゴス諸島と並び希少な生物が多く生息しており、その透明度も世界有数。
これからもその美しい自然が守られ続けることを祈るばかりです。
伝統の受け継がれる美しいバイカル湖
世界で最も深く、最も古い、世界遺産、バイカル湖。
長い歴史と今でも受け継がれる独特の伝統を持つ魅力的な場所です。
実際に訪れてみて、日常生活ではなかなか味わうことができないスケール感と、その地の秘めたパワーに圧倒されました。
ロシアへ旅行する際は、首都のモスクワやサンクトペテルブルクなどのロシア西部だけではなく、シベリア地方の美しい自然も楽しんでみてくださいね。
そこには、多くの人が考えている「ロシア」とはかけ離れた別の世界が存在していますよ。
筆者、あずさの2018年12月からの世界一周旅行の記録。
半年間で東南アジア、南アジア、西アジア、バルカン半島、東欧、北欧を巡りました。
現在1ヶ月に渡るロシア横断の旅を終え、バルト三国を巡っています。
ロシアの情報も今後どんどんと更新していきますので、チェックしていただけたら嬉しいです!