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ロシアのお土産にも最適な紅茶ブランドを厳選!在住者が面白い紅茶文化もご紹介!
ロシアでは、家族や友人との団欒に紅茶はかかせません。寒い季節が長いロシアでは、独自のスタイルとも言える紅茶文化が確立しました。種類豊富な紅茶はスーパーでも簡単に購入できるのでお土産にも最適です。1日のスタートは紅茶の筆者がロシアの紅茶事情をご紹介します!
この記事に登場する専門家
モスクワ在住ライター
Kankaru
紅茶文化のロシアで今日も朝からティータイム!
みなさん、こんにちは!モスクワ在住ライターのKankaruです。こちらモスクワは日に日に寒さが増し、温かい飲み物を求めてしまう季節になりました。
ところでみなさんは、ロシアが紅茶大国といわれるくらい紅茶をよく飲むことをご存知でしたか?ロシアでは、幼稚園でも薄めた紅茶が出されるくらい、老若男女、また幼い子どもにいたるまで、紅茶は親しまれ生活の一部になっています。
今回は、ロシアの紅茶事情を解説するとともに、種類も豊富なロシアでおすすめの紅茶ブランドをご紹介します。寒さの厳しい気候だからこそ生まれたロシアの紅茶文化!カップに紅茶を注いでロシア風にティータイムを楽しんでみませんか?
ロシアの紅茶文化①【ロシアンティー】はロシアの紅茶の飲み方だった!
ロシアのティータイム。紅茶とともに小さな小皿が用意され、ロシア風ジャム「ヴァレーニエ」が並びます。「今日はどのジャムにしよう」と選ぶのも楽しみの1つ。選んだジャムは小皿にいれ、スプーンで舐めながら紅茶をいただく、この飲み方が「ロシアンティー」と呼ばれているものです。
日本では、紅茶に直接ジャムを入れたものを「ロシアンティー」と紹介している場合がありますが、本場ロシアのレストランで「ロシアンティー1つ」と注文しても通じませんのでご注意を!
ジャムを紅茶に入れてしまうと茶の温度が下がってしまうため、寒いロシアではこのような習慣が生まれましたが、今は自分の好きなスタイルで紅茶を楽しんでいます。
イギリスでいう【ロシアンティー】とは
イギリスではレモンティーのことを「ロシアンティー」と表示している店があります。諸説では、ビクトリア女王にまつわる出来事が有力な説のようです。
ある日、ビクトリア女王がロシアに嫁いだ孫娘を訪れた際、レモンを紅茶に浮かべるスタイルで紅茶をご馳走しました。当時のイギリスはミルクティーが主流だったため、女王はレモンティーの味に感動し、帰国後イギリスで広めていったといわれています。
ロシアの紅茶文化②特別な日はサモワールでおもてなし!
18世紀に誕生し、ロシアの伝統装飾品において最も重要な存在になったサモワールは、現在もお祭りやお祝い事には欠かせない「温かいおもてなし」の象徴となりました。
サモワールとは、ロシア語で「サム(自分で)」と「ヴァリート(沸かす)」を合わせたもので、ロシアの湯沸かし器のことです。古い伝統的なサモワールは、内部中央に縦に伸びた筒があり、その中に炭や燃料をいれ、その周りの空洞部分に水を注いで点火しお湯を沸かします。炭の代わりに松ぼっくりを入れることもあり、お湯に移った自然の香りを楽しみます。胴の下部には蛇口がついていて、そこからお湯を注ぎます。現在製造されているサモワールの大半は電動のものになっています。
お湯が沸いている間にティーポットの準備です。ティーポットには茶葉と同じくらいのお湯を注ぎかなり濃い紅茶を作ります。お湯が沸いて火を消した後は、サモワール上部にティーポットを置いて保温します。
いよいよ楽しいティータイムの始まりです。ティーポットから濃く抽出された紅茶をカップに適量注ぎ、サモワール下部の蛇口からお湯を注いで好みの濃さに調整します。
こちらは19世紀に製造された銅製のサモワールです。当時は大変高価なものだったので大切に使われ、その後も家族から家族へと代々受け継がれていきました。生活様式が変わった現代では、昔ながらのサモワールは使われることは少なくなりましたが、大半のロシア人が夏場を過ごすダーチャ(郊外の別荘)で家族が集まった時に出されます。ご先祖様への敬意とお客様へのおもてなしを示すサモワールは、これからも家宝として受け継がれていくでしょう。
ロシアの紅茶文化③保存食国家が生んだ知恵!紅茶のお供はヴァレーニエ
寒い冬が長く続くロシアでは、冬の食糧不足に備え保存食文化が発展しました。そのうちの1つが果実をそのまま煮込んだヴァレーニエです。昔は砂糖がとても貴重だったため、砂糖の代わりにヴァレーニエをお茶請けにする習慣が広まりました。
ベリーの宝庫ロシアでは、ベリー系の甘酸っぱいヴァレーニエが人気です。ラズベリー、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、すぐり、野いちごなど自然からの贈り物は種類も豊富でロシア人の大切なビタミン源になっています。
他にも、オレンジやレモンなどの柑橘系ヴァレーニエも紅茶のお供にとてもよくあいます。気になるヴァレーニエを少しずつお皿にとって味比べはどうでしょう?本場ロシアンティーの魅力であり楽しみ方の1つです。
ヴァレー二エはロシアのお土産としてもとても人気があります。スーパーで1缶200ルーブル(500円)程で購入できます。
ロシアの紅茶文化④そんなものも入れちゃうの?ロシアならではの飲み方も!
真冬ともなればマイナス20度30度にもなる厳しい寒さロシアでは、冷えた体を温めるため、お茶請けのヴァレーニエにウォッカを数滴混ぜて紅茶を飲むこともあります。アルコール度は40度と高めですが、純度の高い良質なウォッカは無味無臭なので癖もなく意外と紅茶請けとしてアルコールが邪魔をしません。むしろ体がポカポカ温まりとてもおいしくいただけます。
ウォッカ「メドベージ」700ml500ルーブル(1,250円)
こちらはロシアの養命酒バリザムです。10種類以上の薬草に砂糖を加えた甘い飲み物で風邪などの予防としてお馴染みの健康酒です。いろいろな種類がある中で、ノンアルコールのバリザムもあり、どこの家庭でも1本はストックしてあります。
少し喉がイガイガするなど風邪の引き始め、バリザムを紅茶に加えて飲むと体がポカポカ温まりぐっすり眠ることができます。小瓶なのでロシアからの珍しいお土産としていかがでしょうか?
1瓶200ml200ルーブルから(500円)
このように、ロシアは自国の気候風土の特色を生かしながら、単調になりがちな紅茶タイムを飽きずに楽しく過ごす習慣が広まっていったんですね。
スーパーで気軽に買えるロシアで人気のおすすめ紅茶ブランド4選!
ロシアでは、紅茶をとてもよく飲むので、スーパーでも紅茶の品揃えは豊富です。上記画像も9割が紅茶、1割が緑茶という陳列になっています。中でもフレーバーティーの種類は驚くほどで、ロシア人の紅茶に対する探究心を感じずにはいられません。
いろいろなものを試しながら自分の好きな紅茶を見つけていく楽しみがロシアにはあります。王道なものから変わったフレーバーまで、ロシアのお土産にいかがですか?
①ロシア紅茶メーカー代表【マイスキー】の魅力
1991年創業ロシアを代表する紅茶メーカー【マイスキー】は、ロシア風のパッケージデザインが魅力的ということもあり、日本人旅行客からも大変人気がありお土産として選ばれているブランドです。王道のものから各種フレーバーティーまで紅茶好きも納得の品質で期待を裏切らない紅茶と言えるでしょう。どこのスーパーでも手軽に買える紅茶ですが、日本でも通販で購入できます。
1箱25パック:90ルーブル(230円)
マイスキー社はお土産や贈答品用に、マトリョーシカや童話をモチーフにした缶バージョンの紅茶も販売しています。また、季節限定の商品もありますのでお土産の候補にいかがでしょうか?紅茶のおいしさはもちろん、インテリアとしても美しいのでとても人気がありますよ!
お土産・贈答品1箱130ルーブルから(350円から)
②旧ソ連圏でも愛されている【グリーン・フィールド】
ロシア最大手航空会社アエロフロートのファーストクラスで採用されている紅茶が「グリーン・フィールド」というだけで、その品質は証明されたものではないでしょうか。
グリーンフィールドの紅茶はクセや渋みの少ないものが多く、ハーブなどの香りを楽しむフレーバーティーのラインナップが豊富です。高級感漂う紅茶ブランドですが、どこのスーパーでもお手頃価格で購入できます。
1箱25パック100ルーブルから(250円から)
③世界第5位の英国紅茶ブランド【アーマッドティ】はロシアでも大人気!
香り豊かなクラシックティーを楽しみたいロシア人の間では、イギリスブランドの「アーマッドティ」が人気です。紅茶の本場イギリスのブランドがロシアのスーパーでお手頃価格で買えるのもうれしいところです。スーパーの陳列を見ても、グリーン・フィールドに次ぎ2番目に種類が多くありました。
1箱25パック120ルーブルから(300円から)
④ロシア伝統のハーブティー【イワン・チャイ】は健康志向の人に大人気!
紅茶コーナーに行くと至るところで「ИВАН ЧАЙ(イワン・チャイ)」という文字を目にします。これは、ロシアに紅茶が伝わる前から飲まれていた伝統的なハーブティーです。その原料はヤナギランという紅紫色の花が咲く多年草で、イワン・チャイはその花と茎を乾燥、発酵させて作ります。ビタミン・ミネラルが豊富で免疫力の強化、ストレスや疲れの癒し効果があるとして親しまれているお茶です。
ロシアでは、各メーカーが独自のブレンドでイワン・チャイを売り出しています。数ある種類の中で、筆者がおすすめするのは、①でご紹介したマイスキー社のイワン・チャイです。ハーブティーの独特な香りが苦手な方にも飲みやすく、紅茶、タイム、レモングラスなどがブレンドされています。
1箱150ルーブルから(400円から)
日本でも購入できる!フランスブランド【クスミティー】実はロシア生まれです!
数ある紅茶ブランドの中でも異色の歴史を持つ【クスミティー】。現在はフランスで不動の人気紅茶ブランドとなったクスミティーですが、実は19世紀ロシアのサンクトペテルブルグでクスミコフ・パーベル氏が創業開始したロシア生まれのブランドなんです。かつてはロシア皇帝も愛したクスミティーは、ロシア革命後拠点をパリに移し、今では世界中で愛されるブランドに成長しました。
ロシアにおけるクスミティーは、普段飲む紅茶というよりは、特別な日のプレゼントに喜ばれる高級茶として人気があります。
カラフルでお洒落な缶が人気のクスミティですが、日本でも店舗を展開しています。マトリョーシカをモチーフにしたアクセサリーも充実していてロシアにルーツがあることを感じさせます。オンライン購入もできるので気になった方はぜひ公式ページをのぞいてみてくださいね。
クスミティーEarl Grey Intense 125g 2500ルーブル(6300円)
寒い冬は紅茶でポカポカに!
いかかでしたか?ロシアで広まった喫茶スタイルは、家族や親しい友人が集まり、温かなおもてなしの中で家庭のぬくもりを感じ、心も体もポカポカにしてくれます。
ロシア訪問時、イベントやお祝い事でサモワールを見かけたら、温かな紅茶をご馳走してくれるでしょう。紅茶を愛し新たなフレーバーを追求し続けているロシアで、あなたのお好みの紅茶を探すのも旅行のプランに入れてみてはいかがでしょうか?
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