Categoryフィンランド
フィンランド移住の賢い10の方法を在住者が解説!メリット・デメリットは?
フィンランド移住した筆者が賢くフィンランドに移住するための10の方法をご紹介します。就職や留学、インターンなど、どの方法が良いかお伝えします。また、物価が高そう、寒そうといったデメリットや自然豊かで安全といったメリットなどのイメージも検証!海外移住先としてフィンランドを検討している方必見!ビザ・居住許可の取得方法を検証します。
この記事に登場する専門家
フィンランド在住トラベルライター
eslavida
フィンランド移住を考えたことはありますか?
こんにちは!フィンランド在住トラベルライターのeslavidaです。
皆さん、海外移住って憧れますよね。世界には色々な国がありますが、北欧のフィンランドはいかがでしょうか?
私は日本に20年以上住んでいましたが、欧米4カ国に在住した経験があります。
そんな中でも、現在住んでいるフィンランドはとっても快適。日本人に合う文化なのではないかと思います。
今回は、そんなフィンランドへ移住のメリット・デメリット、移住方法について検証していきたいと思います。
フィンランド移住までの経緯
私がフィンランド移住に至ったのは、パートナーがフィンランド人だったから。
出会った当時はスペインで仕事をしていて、スペイン語語学交流イベントで出会いました。
パートナーが国に戻る必要があり、一緒に暮らすために私もフィンランドに移住することにしたのです。
それまでフィンランドには一度だけ、サンタクロースに会いにラップランドに行ったことはありましたが、それだけ。北欧の国の一つというイメージ以外なく、移住も特に考えたことはありませんでした。
先入観がなかっただけに、住んでみると快適!と感じると同時に、北欧ならではの大変さもありました。
フィンランド移住のメリット
安全
移住先としてまずきになるのが安全かどうか。
もちろん昨今テロなどどこにいても起こり得ることはありますが、
拳銃や殺傷事件など凶悪なものから、スリ・ひったくりまで
比較的少ない安全な国と言えると思います。
観光地などで人が集まるところなどは、スリ・ひったくりに注意した方が良いですが
スペインやイタリアのように日常的に危険かというとそんなことはありません。
危険なエリアというのもほとんどありません。
安心して暮らせるかどうか、は大きいですよね。
英語
公用語はフィンランドとスウェーデン語ですが、
英語がよく通じます。
英語だけで暮らすことも可能です。
ただ、現地で仕事を見つける場合はフィンランド語ができた方が良いです。なぜなら、フィンランド人は英語は話せるけれども、母国語の方が断然楽だからです。クライアント、お客様も然り。
でも、『暮らす』という観点で、英語だけでも何とかなるというのはやっぱり安心です。
私もフィンランド語勉強中でまだ話すことができませんが、今のところ英語だけで何の問題もありません。
医療&教育レベルが高い
医療のレベルが高いため、何かあった時安心です。
私も何度か病院にかかることがありましたが、医療システムがオンライン化されていてとても便利。予約から支払い、過去の受診記録や検査結果など全てオンラインで確認することができます。
教育レベルが高く学費もフィンランド語での教育は無料なのでお子さんがいる方にはとても良いと思います。大人の学びの機会も多く、市が様々なプログラムを安価に提供しています。私は語学のクラスを取っていますが、週2回3ヶ月のコースで75ユーロほど(都市・コースによる)。音楽、演劇、歴史などのコースもあります。
清潔
全般的にかなり清潔です。
以前住んでいたスペインでは、道に犬のフンが落ちていることが多く
足元に常に気をつけないといけませんでしたが、フィンランドは公共の道がとても綺麗。
ポイ捨てなどする人も少ないような気がします。
公共のトイレも他国に比べて清潔(ほぼ日本と同じレベル)です。
毎日気持ちよく過ごせるってよく考えると重要です。
日本人と共通点がある
フィンランド人は日本人と共通点があると言われています。
例えば、パーソナルスペースを大切にする、謙虚、シャイな人が多いなどなど。
一緒にいて心地よいと感じることも多いかと思います。
日本が比較的近い
日本からヨーロッパの中で一番近いのがフィンランド。
飛行機は北回りなので、北東に位置するフィンランドが日本から一番近くなるのです。
そのため、ヨーロッパの玄関口としてヘルシンキ経由で欧州諸国に行く便がたくさん出ています。成田ーヘルシンキは約10時間です。
さらに、フィンエアーは日本の複数都市に直行便を飛ばしており、成田、関空、セントレア、福岡、札幌(冬季のみ)と色々な都市から乗り継ぎなしで行けて便利です。
直行便があると乗り継ぎで乗り遅れる心配や荷物がなくなる可能性もなく
一時帰国の際、体も楽で助かっています。
サウナ文化がある
フィンランドが発祥の地と言われるサウナ。フィンランドの人口540万人に対して200-300万のサウナがあると言われています。裸で入るところなど、日本の温泉文化、お風呂文化と通じるところがあると思います。
私はもともとサウナ好きというわけではなかったのですが、
気持ち良いので今では週に2−3回入っています。癒されます。
サウナ付きのアパート、マンションも多いです。
自然が豊か
日本と同様に国土の70%以上が森林。さらに湖が18万個以上!
首都ヘルシンキにいても一歩出ればいきなり森!
私はヘルシンキから電車で20分ほどの郊外に住んでいたのですが
家の周辺で頻繁にウサギを目撃します。
一匹ではなく、一気に五匹くらい見たこともあります。
緑が本当に身近にあり、週末だけでなく平日も簡単に緑にアクセスすることができ、
健康にとってもいいと思います!
イケメンが多い
金髪&青い目系のイケメンがたくさんいます。
子供や女性も妖精のように可愛いです。
何度か私は妖精の国にいるんじゃないかと目を擦ったことがあります。
入国後に居住許可申請できる
これは驚きでしたが、なんと観光ビザで入国後に観光ビザ有効期間内90日以内であれば、現地で居住許可申請ができるのです。
ビザは住民票のある国で提出して、ビザが出るまでの数ヶ月待ち、ビザが出てから入国するという方法が一般的です。
フィンランドもその方法を推奨しているようですが、
入国後の申請も合法、不可能ではないのです。
ただし、その場合、ビザ申請書を提出する際、もう1枚、当局からビザ申請を拒否された場合はただちに出国することは問題ないか、といった用紙を提出する必要があります。
学生・婚姻ビザ以外のビザ申請待ち期間は数ヶ月に及びますが、その間もフィンランドで生活を送ることができるのは大きいですよね!私もこの方法で現地でビザを申請しました。
フィンランド移住のデメリット
冬が長く、暗い
緯度が高いので仕方がないのですが、一年の中で冬が長く、暗い期間が長いです(11-3月くらい)。
私はフィンランド南部に住んでいますが、1月中旬で15時には暗くなるため、慣れるまでは「もう1日が終わってしまった。まだやりたいことがあるのに・・・」と思うことがよくありました。
フィンランド人から教えてもらい、今ではビタミンBサプリをとり、家では太陽光が出るライトを浴びて対策バッチリです。
寒い
寒いのは覚悟していましたが、11月に行ったサンタ村で有名なロヴァニエミは-15度でした。北極圏に近くなればなるほど寒いため、寒さの苦手な人は辛いと思います。
しかし、フィンランドの中でもヘルシンキなど南部であれば、温暖化の影響もあるためか、寒さはそこまでひどくありません。2020年1月現在で1-5度程度で、たまに氷点下になることがある程度です。
さらに、外は確かに氷点下20度ということもよくあるフィンランドですが、
室内はとってもあったかい!日本より暖かいかもしれません。
というのも、寒い国だけあって、マンションやアパートは昔からヒーティングシステムが整っていて、ビル全体で20度前後になるように調整しているのです。
窓が二重で寒さを完全シャットダウンしているところも多く、外は凍るように寒くても、家の中では半袖、という人も多いようです。
語学学校で学生ビザは取れない
ヨーロッパ他国、例えばスペインではスペイン語の語学学校にフルタイムで通うお金を払えば学生ビザが比較的確実に取れます。
しかし、フィンランドでは、フィンランド語の語学学校に行くだけでは学生ビザが取れません。
これもフィンランドの居住許可を取る難しさの一つです。
フィンランド移住後に感じたギャップ
物価
北欧といえば物価が高いイメージ。
確かに以前住んでいたスペインと比べると高めなのですが、
驚くほどではなく、日本のスーパーとほぼ同じくらいです。
冬になると野菜が少し高くなるのが気になるくらいでしょうか。
電車賃もフィンランド鉄道(VR)1回2.8ユーロで高めですが、社会保険番号が出た後はシーズンチケットを購入でき、1年分契約すると月53ユーロ(中心地ABゾーン)で地下鉄・バス・トラム・近郊線乗り放題です。
全体的に案外高くない!というのが正直な感想です。
家賃
家賃だって絶対高い!と思っていたのですが、
1LDKがヘルシンキ中心地で1200ユーロくらいから、中心まで電車で20-30分の郊外に出ると800ユーロくらい。さらに学生だと学生だけが借りられるアパート(大学に属した寮という訳ではない)だとさらに安くて500ユーロ台くらいから。一人だとアパートシェアが多いようです。
私の場合は、パートナーが最初学生だったため大学に近い郊外の学生だけが借りられるファミリーアパートで月約550ユーロでした。さらに、フィンランドの学生は政府からの家賃補助・生活補助があります。仕事をしていない失業中の人も補助があり、さらに市が運営している安い物件に優先的に入れます。ヘルシンキだと希望者が多い上、空きもなかなかでないため難しいですが、他都市であればまずは市の物件を確認することをオススメします。安いです。
魚の種類が圧倒的に少ない
魚といえばサーモン。右を見ても左を見てもサーモン。魚屋もサーモン祭り。
海に囲まれているのでシーフードが美味しいイメージがありましたが、
ほぼサーモンで驚きました。
スーパーにはマグロや白身魚も若干売っていますが、ほぼサーモンです。
えびが好きな私は、えびを探し求めましたが、魚屋やスーパーのえびは小さいものが多く、しかも高い。冷凍もので凌いでいます。
逆にサーモン好きにはパラダイスだと思います。
クリーミーなサーモンスープが衝撃の美味しさで、大好物です。
フィンランド移住の方法
1. 留学
一番確実なのはまず正規留学することです。
ただ、他国と違い、語学学校では留学ビザが出ないため
高等教育機関である大学や大学院留学をすることになります。
そのため、まず大学・大学院入学試験、TOEFLやGMATなどの英語試験を受けることになります。授業は英語で行われるものを選ぶことになるので、英語レベルがある程度あることを証明するのは必須です。
決して簡単な試験ではないので、きちんと試験対策することになります。
ただ、大学からの入学許可が降りれば、居住許可(ビザ)がとれる可能性は非常に高いため、運頼みではなく頑張り次第で居住許可(ビザ)が取れる数少ない方法の一つです。
2. インターン
フィンランドにある企業のインターンに応募することも可能です。
この場合、日本ですでに大学生・大学院生であること、英語で問題なくコミュニケーションできることなどが前提で、且つフィンランド現地学生ともポジションを争うことになるため面接などでなぜ自分を採用すべきなのか、しっかりとアピールすることになります。
フィンランドでは長期で夏休みをとる職員の空きを埋めるため、その夏の間だけ学生インターンをとる企業が多いようです。フィンランドの学生も夏はインターンの季節、という意識があり競争率は低くない、というのが現状です。
3. オーペア
オーペアはフィンランドの家庭でベビーシッターや家事手伝いを行い、フィンランドの文化や言語を学ぶ目的で、30歳まで応募可能なビザとなります。もし30歳以下で、そう行った内容のボランティアに興味があれば、フィンランドに滞在するきっかけとしてはハードルは高くありませんので挑戦してみてはいかがでしょうか。期間は1年間です。
家族とのコミュニケーションは英語になるため、コミュニケーションが取れるレベルの英語は必要です。
4. アーティスト・イン・レジデンス
アーティスト・イン・レジデンスは実施している市町村が限定されているようですが、あなたがアーティストで、フィンランドに短期間住んでみたいということであれば良い機会だと思います。
5. 結婚
実際フィンランドに住んでいる日本人で圧倒的に多いのが、フィンランド人と結婚して婚姻ビザ(居住許可)を得た人たちです。ただ、こればかりは運命なので、日本の大学に留学しているもしくは働いているフィンランド人にアプローチするか、フィンランドに他の方法で滞在して素敵な人を見つけるしかありません。
フィンランドの人口は540万人程度なので、世界中で偶然会うのもなかなか難しいですが、海外にいるフィンランド人と出会うことも一つの方法ではあります。
日本からフィンランドに通って見つける、もしくは文通相手を見つけて遠距離からスタートするという方法もあると思います。
また、同性婚も認められています。教会での結婚はその教会の方針によりますが、シビル婚であれば問題ありません。
6. パートナー
フィンランドには事実婚ビザとも言えるパートナー居住許可があります。
2年以上同棲しているカップルであれば申請できます(異性・同性両方OK)。
婚姻のような証明書がないため、二人の関係が本当にカップルであることを他の方法(写真・メール・住居契約他)で証明する必要があります。二人の間に子供がいる場合はそれも考慮されるので取りやすい可能性があります。
7. 駐在
非常に狭き門ですが、フィンランドに事務所・支社のある会社に就職して、派遣される方法です。駐在ビザは会社が取ってくれるので、機会さえ手に入ればかなり確実な方法ですが、北欧だとスウェーデンのストックホルムに拠点を置く企業も多いため、まずその会社に入ること、さらに駐在派遣されるとなると非常に確率は低いと思います。
もし、そういったポジションを見つけたら、ぜひチャレンジしてみてください!
8. 就職
海外就職、というと日本で転職する感じをイメージするかもしれませんが、
かなり厳しいです。フィンランドでは、同じ能力であればフィンランド人が優先して採用される傾向があるため、一般的に募集されているポジションに応募して採用されるのは至難のワザ。
求人自体は、例えばLinkedInで探すことができます。
その求人情報を見て気づく方もいると思いますが、ほとんどフィンランド語で求人が出ています。英語で求人が出ている限られた求人の中で、ビザを出してまで欲しい人材にならなければなりません。
日本人としてのメリットを活かせる職種であれば少しは可能性があるかもしれません。
例えばよくあるのは寿司職人。旅行会社関連もたまにありますが、ほとんどありません。
あったとしても、居住許可をすでに持っている現地在住者が先に応募している可能性大。
フィンランドで圧倒的に足りないと言われているのがプログラミング人材。
そのため、プログラミングに抵抗がなければ、プログラミングの勉強して日本で少し実績を積んでからフィンランドの求人に応募するのが就職の中では一番可能性が高いかもしれません。
9. 起業
フィンランドは起業ビザがあります。
外国人でも起業ウェルカムな国なので
熱意を持った事業計画があるのであれば、チャレンジするのはありだと思います!
事業計画の他、その計画を実行する資金(最初は自分の個人口座に企業口座から給与を払う、月最低1300ユーロ ※変更の可能性があるため、都度要確認)がある証明の提出が必要です。さらに、事業計画はなんでも良いというものではなく、実現可能性を見るために、その人の経験や人脈と関係があるか、すでに仮契約を結んだ顧客との契約書はあるかなど聞かれます。
起業審査はもちろんありますが、通過した際は、まだその時点で営利活動を始めていなければStartup Grantという補助金を受けられる可能性もあります(別途審査あり)。この補助金は2020年1月時点では、6ヶ月間(更新最長1年間)、毎月約648ユーロです。
10. EU他国の長期ビザ
上記方法どれも難しい!という場合、番外編と言えるかもしれませんが、まずEU他国に長期で住み、長期ビザを入手すればEU内他国に住むことができるようになります。
例えば、筆者が以前住んでいたスペインは語学学校で学生ビザが出たので、それでスタートし、10年以上滞在して最終的に長期ビザを入手(ビザ条件はよく変更しますので要確認)するとEU他国でも住んだり仕事をしたりすることができるようになります。
ただし、長い期間が必要なので、かなり遠回りですね。
【オススメ】移住方法の組み合わせ
一番王道でオススメなのは、まず正規留学してその期間にフィンランド語学習、ネットワーキング、情報収集・準備を行って、起業または就職する方法。留学中は勉強で忙しいですが、期間が4年(大学院なら2年)と長い上、卒業後1年間インターンができる期間があるので時間があるため次のステップへの準備が十分できるためです。
留学→起業
留学→就職
留学→インターン→就職
留学→結婚
留学→パートナー
日本から直接インターンやオーペア、アーティスト・イン・レジデンスなどで滞在した場合は、期間が短い上更新が難しいため次の居住許可を取得する方法を探すまたは準備する期間が限られていますが、可能性はゼロではありません。フィンランド語学習、ネットワーキング、情報収集・起業準備など、行動あるのみです。
【共通】必要な事前準備
英語:まず現地でコミュニケーションを取るために、スピーキングを練習しましょう!好きなアメリカンドラマ・youtube動画を英語で見る、日本にいるネイティブと友達になるために語学交流サロンへ行くなど、できることから始めてみましょう!
フィンランド語と比べると英語の方がずっとシンプルで簡単です!
お金を貯める:どの移住方法でも、ある程度の蓄えは必要です。日本にいる間に副業や節約してお金を貯めましょう!多くの居住許可申請プロセスでは、生活に十分な資金があることを証明するため、銀行口座の残額証明の提出が求められます。
資格取得・手に職の経験を積む:現地でいざという時に役に立つプログラミングや調理師の資格を取る、もしくはライティングなどフィンランドに行ってからもフリーランスで続けられる仕事の実績を日本にいるうちに積んでおく、というのはオススメです!
フィンランド移住はチャレンジの価値あり!
いかがでしたでしょうか?
フィンランド移住のハードルは決して低くありませんが、
希望はあります!
是非今すぐ準備を始めてチャレンジしてみてください!
筆者のブログはこちら!
30代VIVA!海外生活 in 北欧
フィンランド生活の日常と驚きを綴ったブログ
ameblo.jp
この記事を読んだあなたにピッタリのフィンランドの情報はコチラです!
北欧フィンランドの治安・気候・物価まとめ!物価高すぎ?女性一人で行って大丈夫?
フィンランドはヨーロッパの北に位置しています。ノルウェー・スウェーデンと並ぶ北欧の国の1つとして北欧デザインや、ムーミンの国として、近年、女性を中心に日本人観光客から注目を集めています。そんなフィンランドの基本的な情報をしっかりまとめてみました。
trip-partner.jp