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イタリアのチョコレート22選!現地在住者がチョコの歴史から土産に最適なブランドまでご紹介!
イタリアには多くの伝統チョコレート職人の工房や工場があります。特に有名な製造場所は、ピエモンテ州やシチリア州、チョコレートのお祭りがあるウンブリア州です。イタリアのチョコレートがなぜ有名なのか、工房の歴史などとあわせて、これからじっくり見ていきましょう。
この記事に登場する専門家
イタリア在住ライター
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ライター紹介
イタリア在住19年。近所や郊外の小さな街歩きをし、美味しいものを食べながらのんびりと過ごすのが趣味です。私が得た情報をコラムを通して、皆様の旅のアイデアのお役に立てれば嬉しいです。
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イタリア在住15年。現在住んでいるローマがある中部イタリア中心に旅行情報を載せていきます。
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イタリアのチョコレートと歴史
ヨーロッパでチョコレートが有名な国は、スイスやベルギーがありますが、イタリアも生産量・消費量・品質でも負けてはおりません。
カカオは1492年、イタリアのクリストファー・コロンブスにより、アメリカ大陸からヨーロッパに薬として伝えられました。その後、砂糖が加えられるようになり嗜好品に。固形チョコレート技法が発明される19世紀までの間、チョコレートは王侯貴族の贅沢な飲み物、現在のココアの様なものだったのです。
イタリア北部の町、トリノはチョコレートの首都!
トリノではなんと、1560年からチョコレートが作られ、イタリアで初めてチョコレート工場が作られた町でもあります。ここまでトリノがチョコレートで有名になったのは、サヴォイア王家の権力が関連しています。カカオをスペインからイタリアに持ち込み一般市民に広めたのです。そのため、今でも多くの老舗店がトリノに残っています。トリノはチョコレートの首都!世界一だと言っても良いかも知れません。
1806年にナポレオンの政策でフランス経済発展のため、近隣諸国に高い関税をかけました。そのため嗜好品であった高級なカカオも高騰してイタリアに入りにくくなってしまったのです。その対策としてピエモンテ州の名産品ヘーゼルナッツを粉にして混ぜ込む製法を発見したわけです。
イタリアでのチョコレート祭り・見本市 エウロ・チョコレート
チョコレートで有名なイタリアですから、技術が進化し新作が生まれるため、発表の場があります。
一番有名なのが毎年10月にウンブリア州ペルージャで開催される、世界でも注目されるエウロ・チョコレート(Eurochocolate)です。
筆者は3度訪れましたが、チョコレートの甘い香りと、チョコレートを髪の毛や体に塗った人たちのパフォーマンス、チョコレートの芸術彫刻も観られ、何度行っても楽しいイベントです。
開催期間が10日間ほどと長いので、この時期にイタリアを旅行される方は、ペルージャをプランに入れるのをおすすめします。
Eurochocolate, festival internazionale del cioccolato
エウロチョコレート公式ホームページ(イタリア語)
www.eurochocolate.com
他には、チョコ・アモーレ(Choco Amore)というイベントがイタリア各地を巡ります。
2月のミラノのチョコレートのサロン(Salon du Chocolat)では、新しい技術やトレンドの発表会、同じ時期にフィレンツェではチョコレート職人の見本市(Fiera del cioccolato artigianale)があります。チョコレートの見本市が開催されるのは9月から5月くらいまでです。
CHOCO AMORE – Feste del cioccolato
チョコ・アモーレ、イベント案内ホームページ(イタリア語)
festedelcioccolato.it
イタリア芸術チョコレートの彫刻
筆者が初めて訪れたペルージャのチョコレート祭りで、チョコレートでできた芸術作品に出会った時は感激でした。
それら手作りのアート作品が、専門店やイベント会場を訪れればお買い求め頂くことができます。
アントーニオ・スケッティーニが2003年に創設したドルチ・エクスプレス(Dolci Express)という工房は、今ではイタリアで最高品質のチョコレートのひとつだと言われています。
2009年の春に参加したイベントで世界一大きなチョコレート彫刻に認定されました。
イタリアのチョコレートの種類
空港やスーパーでたくさんのチョコレートが売られていますが、イタリアではどのチョコレートを購入すれば良いでしょうか?種類ごとに元祖のチョコレート会社をご紹介します。
ヘーゼルナッツ味 ジャンドゥーヤ Gianduja カッファレル CAFFAREL
1852年にヘーゼルナッツを粉にしココアと砂糖を混ぜたチョコレート、ジャンドゥーヤが発明され、1865年にパウル・カッファレルとミケーレ・プロシェによりジャンドゥイオットが発明されました。ジャンドウイオットは通常ボートの形をしており、一粒づつ薄紙で包装されています。
名前の由来はコンメディア・デッラルテ(16世紀中頃からある即興演劇)に登場するトリノのあるピエモンテ州のキャラクター、三角帽子を被っている“ジャンドゥーヤ”から来ています。
シマシマ模様のクレミーノ Cremino バラッティ・エ・ミラーノ(BARATTI & MILANO)とマイアーニ(MAJANI)
キューブ型の一粒チョコレートで、2種類の3層になっているのが一般的。ヘーゼルナッツのジャンドゥーヤ味と、コーヒーかレモン味などが合わされます。
1858年、トリノにエドアルド・ミラーノと共にお菓子屋さんを開店したフェルディナンド・バラッティの発案ですが、公式にクレミーノだとされたのは、1934年です。
クレミーノ・フィアット(Cremino FIAT)で有名な、ボローニャの町のチョコレート会社マイアーニです。一般的にクレミーノは3層なのに対し4層なのが特徴で、ヘーゼルナッツとアーモンドチョコレートの柔らかチョコレートです。
1911年、車の会社フィアットが新車ティーポ4(Tipo 4)の宣伝のため、チョコレートのコンテストを開催し、マイアーニが勝ち取りました。車よりチョコレートの方が有名になってしまいましたね。
またマイアーニ社は、1796年にイタリアで初めて作られたチョコレート会社です。
ラム酒入りチョコレート クネエジ Cuneesi al rhum アリオーネ ARIONE
クネエジは、クーネオという北イタリアのフランスとの国境近くの町の名物チョコレートです。中にラム酒が入っておりビターな大人のチョコレートとメレンゲで包まれています。
上の写真のアリオーネというお菓子屋さんで発売されたものが元祖です。
クネエジはウイスキーボンボンより甘くないので男性へのお土産やバレンタインデーにも良いですね。
ウエハースタイプのチョコレートのワッフェリーニ バッビ BABBI
お祝いのお菓子 コンフェッティ
このお菓子の原型は、古代ローマ時代に貴族の料理人ドラジェが考案したものです。現在でも結婚式、出産、洗礼のお祝いに配られます。
アーモンドに白やピンク水色のパステルカラーにキャンディーがコーティングされたものが基本ですが、チョコレート入りもあります。
溶けにくく日持ちしますので、お土産にもいいですね。北から南までイタリア各地で老舗店が存在しますが、一番有名なのが、アブルッツォ州のスルモナの町でしょう。
エスプレッソとホットチョコレートドリンク ビチェリン Bicerin
ホットチョコレートとエスプレッソコーヒーを混ぜた、ビチェリンという飲み物があります。ビチェリンは“小さなグラス”という意味。
トリノにはビチェリンを初めて提供した1763年に創業の老舗カフェ、カフェ・アル・ビチェリンがあります。
■ お店情報
カフェ・アル・ビチェリン Caffè Al Bicerin dal 1763
住所 Piazza della Consolata, 5, 10122 Torino
水曜日定休
イタリアの有名チョコレート会社
今までご紹介してきたチョコレートの老舗店以外にも、まだまだイタリアのチョコレートリストから外せない会社があります。
ペルージャの町のペルジーナ社 PERUGINA
キスという意味のバーチ・チョコレートは袋紙の中に愛のポエムの紙が入った、ロマンチックなチョコレートです。ヘーゼルナッツが丸ごとのったチョコレートで世界的に有名で日本でも簡単に手に入りますね。
それでも、あまり知られてないのが、ペルジーナ社のオーナーのひとりはなんと、イタリアの一流ブランド洋品店のルイーザ・スパニョーリだったのです。
イタリア製です! ノヴィ NOVI
ピエモンテ州のノヴィ・リグーレという場所のチョコレートで、板チョコがスーパーなどで安価で買え、美味しいです。
“スイス製?いいえ、ノヴィ、イタリアの素晴らしいチョコレートです”という様な意味のスローガンで売り出しています。
ヌガティーヌやジェラートが人気のヴェンキ VENCHI
アルバで創業、本社がある、フェッレロ社
1946年アルバ創業で工場は移設されましたが、本社は現在もアルバに置かれています。
世界的に有名な、卵形のミルクチョコレートの中におまけが入っているキンダー・サプライズの他には、ロシェル、ポケットコーヒー、モンシェリ、パンに塗るスプレッドのヌテッラが主要商品です。
上の写真は、ローマ、テルミニ駅構内のショップです。
イタリアの気になるチョコレート職人のいる工房
さらに近年イタリアで話題の、最も美味しいイタリアのチョコレートはどれ?『ワールド・チョコレート・アワード』などコンクールで賞をとった工房をご紹介。
トリノの街にある、グイード・ゴビーノ Guido Gobino
チョコレート工房の家系を引き継ぎ、美味しさと純粋さで有名な、1950年に開店したトリノの老舗店です。
ミルクチョコレートのジャンドゥイオットが定番で、39%のピエモンテ州のヘーゼルナッツが使われています。現在はコーヒー味もあるので試食してみたいですね。トリノの他に、ミラノにも支店があります。
アルバの町の、ボドラート BODRATO
カッサーゴ・ブリアンツァ マルコ・コルツァーニ
レッコ県の若いチョコレート職人マルコ・コルツァーニ氏が厳選した素材を使って作る最高品質のチョコレートです。
砂糖を加えず新鮮な果汁を使っていることに驚きです。カカオはエクアドル産、ドメニカ共和国産、ベネズエラ産、トリニダード・トバゴ産を使用しています。
ミラノのチョコラータ エラクレーア Eraclea
ピアチェンツァ バルディーニ Bardini
エミリア=ロマーニャ州のピアチェンツァのチョコレート工房。
地元名産のチェリー・リキュール入りのグラッフィオーニ(Graffioni)と、黒と白のトリュフチョコレートがおすすめです。
フォルリの町の、フラテッリ・ガルディーニ(F.lli Gardini)
映画『ショコラ』に影響!ペラトーネル PERATONER
イタリア北部のフリウリ=ヴェネチア・ジュリア州の小さな町、ポルデノーネのチョコレート工房。職人ジュゼッペ・ファッジョットが作り出します。
ジョアン・ハリスの小説を元にした、2000年のジョニー・デップ主演の映画『ショコラ』のストーリーは、この本物のチョコレート職人に影響され出来上がった作品です。
トスカーナ州のポンテデーラ アメデイ Amedei
少量生産の品質にこだわった高級チョコレートなのです。経営責任者は兄のアレッシオで、妹のチェチリア・テッスィエーリはイタリアで唯一の女性チョコレート・マイスターとして認められています。
トスカーナ州ピストイアの町の、ラ・モリーナ LA MOLINA
トスカーナ州ピストイアの高級チョコレート。カカオの産地を実際に訪れ、最高品質の原材料を厳選し作られます。チョコレートの厚さや食感など長年の研究で出来上がる、本物志向の人のためのチョコレートです。
La Molina - Cioccolato is coming soon
ラ・モリーナのホームページ(イタリア語)
www.lamolina.it
ナポリの町のチョコレート、ガイ・オディン GAY ODIN
ピエモンテ州出身の職人イシドーロ・オディンにより、1800年代末、ナポリに開業されました。フォレスタ・ネーラ(直訳すると、黒い森)と呼ばれる棒状チョコレートで有名です。上の写真はチョコレートのリキュールです。
ナポリはもちろん、ローマ、ミラノにも店舗があります。
Gayodin Home
ガイ・オディンのホームページ(イタリア語・英語)
www.gay-odin.it
イギリス王室御用達!南イタリアの、マリオ MAGLIO
1875年に創業した、南イタリアプーリア州の小さな町のチョコレート工房。自然食品を使って作られており、口コミにより有名になりました。その美味しさと口コミの威力は、イギリス王室にまで届けられるほどでした。
Cioccolato Maglio - Maglio arte dolciaria
マリオのホームページ(イタリア語・英語、音楽が流れます)
www.cioccolatomaglio.it
シチリア名物!モディカの町の、アンティカ・ドルチェリーア・ボナユート BONAJUTO
シチリア島では一番古い1880年創業の、モディカの町のチョコレート工房です。昔ながらの低温製法なので、砂糖が溶け切らずザラッとした食感が特徴です。独特なフレーバーが多いのが人気です。
Homepage (Landing lingua Giapponese) - Antica Dolceria Bonajuto
ドルチェリーア・ボナユートのオームページ(日本語)
www.bonajuto.it
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さいごに。イタリア・チョコレートは至高の品!!
イタリアのチョコレートは上質だからか、溶けやすいです。真夏は残念ながら店舗も品薄になります。
今回紹介してきた他にも、まだまだ種類があり、チョコレート工房も新しい職人がどんどん挑戦し成長し続けます。
いかがでしたでしょうか?全部を試食してみたくなりますよね!次のイタリア旅行、どこの名物チョコレートを買いますか?是非、この記事を参考にしてみてください。
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