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イタリアの習慣「アペリティーボ」って何?在住者がイタリア流の楽しみ方を解説!
イタリアの「アペリティーボ」ってどんなもの?イタリア人にとってどういう存在なのか?どんなものが食べられる?試して見るべき飲み物は?など。イタリアに来たら是非試したらいアペリティーボの習慣を紹介します!リアルなイタリア文化をお試し下さい!
この記事に登場する専門家
イタリア在住ライター 兼 新米主婦
Erica
イタリアのアペリティーボって?
Ciao、みなさんこんにちは。
イタリアはローマ郊外に在住のEricaです。
皆さん、イタリアの「アペリティーボ」って知っていますか?
直訳すると「食前酒」という意味ですが、この「アペリティーボ」とは、お酒の意味だけではなく、「食事前のおやつ、軽食」の様な存在のことを言います。
イタリアでは「アペリティーボをしよう」というのは、「軽くつまみながら、おしゃべりしよー!」というような意味が込められています。
友人や家族とゆったりとおしゃべりなどをするのが大好きなイタリア人ならではの習慣とも言えるでしょう。
イタリア人の憩いのひと時、アペリティーボの文化
イタリアのアペリティーボってどんなもの?
イタリアの地域ごと、お店ごとにスタイルや内容の違いはありますが、
アペリティーボでは基本、
1ドリンクを頼むと、軽食やスナックが出て来ます。
アペリティーボで基本提供される飲み物は、
スプリッツ・カンパリ・グラスワイン・ビールがメインですが他、カクテルなどを提供しているところも沢山あります。
もちろん、ノンアルコールもあります。
この軽食やスナックの内容がお店や地域によって異なるので、自分たちの好みに合わせてお店を選んだりすることもあります。
追加料金なしで出てくるところもあれば、ドリンク代に2-3ユーロ足すと結構しっかりとした軽食を出してくれることもありますので、注文前にしっかり確認しましょう。
アペリティーボで食べられる料理って?
お店によって異なりますが、下記の様なパターンが多いです。
あなたはどのバージョンが好きですか?
「スナックやナッツ 」などの軽いものバージョン
一番、簡単なアペリティーボの内容としてスナックやナッツが出てくるパターンです。
この内容の場合、基本的には追加料金なしで自動的に持って来てくれます。
「サラミやブルスケッタ、小さなピザなどの盛り合わせプレート」バージョン
無料で提供してくれるところもありますが、1-2ユーロ(120円-240円)ほどをドリンク料金に追加で払うと出してくることの多い、プレートの盛り合わせ。
Bar(バール)だと、小さいピザや小さなサンドイッチ、フルーツなどの盛り合わせを出してくれるところが多いです。
またワイン屋さん(Enoteca:エノテカ)が提供するプレートは生ハムや、ペースト、オリーブなどワインにあう食材をふんだんに使ったプレートを出してくれるところなど、
お店によって、サービスの内容が異なります。
「食べたいものを食べたいだけ」のビュッフェスタイル
1ドリンクとビュッフェスタイルのアペリティボでは、用意されている料理から好きなものを好きなだけ選んで食べるます。(食べ放題です)パスタやクスクス、パニーノやピザ、サラダ、ポテトフライなどありとあらゆる料理から選べるところがほとんどです。
大体1ドリンクとビュッフェで10ユーロから15ユーロ(1200円-1800円)ほどで楽しめるところがほとんどです。
「食べ放題」なので、夕食と合わせて済ませてしまう人が多いです。
このようにアペリティーボと夕食を一緒にとる場合、「アペリティボ」と「夕食(Cena:チェナ)」という言葉を掛け合わせて「アペリチェナ」と呼びます。
アペリティーボ文化の始まりは・・・
紀元前5世紀ごろ、もともとギリシャの医者が、食欲のない患者にハーブで作ったお酒を食事前に飲ませて治療に当たったことが元の始まりです。
その後、16世紀になりイタリアのトリノで現代のアペリティーボに近いものが始まったとされています。イタリアの初代王、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世にハーブで作ったお酒を用意したことがきっかけにこのお酒が宮殿の公式な飲み物とされるようになり、ハーブを使ったお酒が色々と開発されるようになりました。
19世紀初めにはミラノにBARができ、そこでハーブのお酒が提供されるようになったのが、アペリティーボをBARで始めたきっかけと言われています。
ただその頃は、今のようなカジュアルのものではなく政治問題や社会問題などを議論する上品な集いでのみハーブのお酒が提供されていました。
現在のようなカジュアルなアペリティーボになったのは1980-1990年ごろミラノでハッピーアワーを楽しむ習慣ができたのがきっかけです。
イタリア流、アペリティーボの楽しみ方
イタリア人にとってのアペリティーボ
アペリティーボはイタリア人にとって単にお腹も満たすものではなく、「交流の場」の一つとなっています。
仕事終わりに同僚と出かけ今日の出来事を語ったり、友人と話をしたりと夕食などに比べて短時間でサクッと済ませられるアペリティーボは手軽に楽しめる、時間を共有する場の一つでもあります。
イタリアでは夕食前に集合し、アペリティーボ?
日本人にとっては、「ご飯の前におやつは食べない」と育っている人も多いかもしれませんが、イタリア人は夕食前に集合がてらBARに集まって軽くアペリティーボを楽しんでから、揃って夕食に向かうこともあります。
その場合、軽いスナックしか出てこないお店に行くか、
もしくは「ドリンクだけで」と頼んで、軽食を持って来てもらわないように頼むかという風に夕食のためにお腹のスペースを考慮することがほとんどです。
日本人の私にとっては、それでもなれない習慣に”夕食があまり食べれない”、もしくは”お腹が空いていない”状態でいくこともしばしばあります。
イタリア人と違い、日本人にはあまり馴染みのない「食事前の軽く一杯」は
場合によってはお腹が満たされてしまう場合があるので、その後食事に行く予定の際は、
注意が必要です!
イタリアでアペリティーボを楽しむには!
イタリアに旅行に来たら是非とも経験してほしいこのアペリティーボの文化。
実際楽しむにはどうしたらいいのかをご紹介します。
一度ぐらいは試してみる価値ありです。
どこでアペリティーボが楽しめる?
町のあちこちにあるバール(BAR)
アペリティーボはBARで楽しめることが多いです。
BARの規模やスタイルによって、スナックのみなのか、軽食も出るのか、またはビュッフェスタイルなのかという違いが出て来ます。
自分の好みに合わせて、もしくはその日のスケジュールに合わせてBAR選びをします。
エノテカ(ENOTECA)やパブで(PUB)で楽しめるところも!
お酒を楽しむエノテカやパブでもアペリティーボを提供しているとこがあります。
基本、夕方にすでに営業していてテーブルなどがあり、飲めるようになっていればアペリティーボをしている可能性は高いです。
PUBではビールもしくはカクテルとナッツなどのスナック類がついてくることが多いです。
ワインを販売するエノテカでアペリティーボを提供している場合、グラスワインに、オリーブやサラミなどワインに合うおつまみを用意してくれるとこもあります。
ついついワインをお代わりしてしまうことも!
ちょっとエレガントにホテルのラウンジで
ホテルにあるラウンジやBARなどでもアペリティーボが楽しめるところがあります。
夕方に行って飲み物をオーダーすると、ナッツやスナック類など頼まずしても提供してくれるところもあります。
少し、ゆったりとした空間で落ち着いて一杯楽しむのもたまにはいいですね!
アペリティーボが楽しめる時間帯は?
アペリティーボは大体17-20時位の時間帯で提供されるのが通常です。
お店によって、または内容によって前後するので、微妙な時間帯に行く場合、
入店時に「アペリティーボしてる?」と確認することをお勧めします。
アペリティーボで是非試すべき飲み物は?
色が鮮やかなイタリアを代表するカクテルドリンク「スプリッツ(Spritz)」
あまり日本では知られていないかと思いますが、イタリアを代表カクテルと言っても過言では無い、スプリッツ(Spritz)がアペリティーボではよく飲まれます。
スプリッツとはイタリアのベネト州が発祥のリキュールで、鮮やかな色が特徴です。
また味は少し苦目ですが、何と割るかによって様々なバリエーションが楽しめます!
スプリッツには大きく分けて2種類です。
プロセッコ+
1.苦いものにチャレンジしたい派="ビテル(bitter)"(カンパリ)
※カンパリはビテルを生産している会社の名前です。
カンパリと言っても通じます。
2.甘い方がいい派:"アペロール(Aperol)"を試してください。
軽めの発泡性のワイン「プロセッコ (Prosecco)」
イタリア、ヴェネト州で作られる白のスパークリングワインのことです。
ワインに比べて、アルコール度数も軽いので、軽くアペリティーボを楽しむときにも最適です。
もちろん、ビールやカクテル、ワインなども提供しているところが多いので、
他の飲み物でも大丈夫です!
好きなものを、その日の気分に合わせてオーダーしてみてくださいね。
お酒は飲めないけど、アペリティーボを楽しみたい!
お酒が飲めないとアペリティーボが楽しめないのか?
決してそんなことはありません。
お酒が苦手な方も、控えたい方もみんなが楽しめるのがアペリティーボです。
ノンアルコールでも色々と試してみたい飲み物があるのでトライしてみてください!
アペリティーボで飲むノンアルコールのオススメドリンクは?
爽やかなカラーにちょっとビーターな味わいの「クロディーノ(Crodino)」
ハーブ系の飲み物で、少し苦味のある、クロディーノ。
大体のBARでも置いてあるほど定番のノンアルコールドリンクです。
色も爽やかで「アペリティーボ」を十分満喫できます。
コーラのような味わいだけど、コーラじゃない「キノット(Chinotto)」
柑橘系のキノットの木から取れた果実で作られた飲み物。
甘みの中にもほんのり苦味があり、コーラのような味わいです。
オレンジなどをトッピングして飲むとさらに気分がアップします!
イタリア流の"憩いの場"を感じてみましょう!
日本には「ちょっとお茶しよう!」という言葉が、「ちょっと喋りましょう!」という意味も含んでいるように、イタリアでは「アペリティーボしよう」がその言葉に当たります。食事に比べて手軽に誘え、手軽に楽しめる「アペリティーボ」の文化は、イタリア人にとっては大切なコミュニケーションの場でもあります。
もし、イタリアに訪れたら、休憩がてらにでもBARなどにいって、「アペリティーボ」を経験するのもいいかもしれません。
イタリア人の生活風景も見れ、いい旅になるかと思います。
ではみなさん、良い旅を!
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