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本場イタリアの絶品チーズ!在住者がお土産・持ち帰り・料理情報などご紹介!
イタリア料理に欠かせないチーズ、本場イタリアにはどんなチーズの種類があるの?チーズの王様はどれ?イタリアのチーズケーキってどんなの?おすすめチーズ料理と、日本へお土産のチーズのお持ち帰り方法を、イタリア在住の筆者が教えます。
この記事に登場する専門家
イタリア在住ライター
Edicolante
チーズは古代ローマ時代に広まった!
こんにちは、イタリア在住のEdicolanteです。今回はイタリア料理に欠かせないチーズについてご紹介します。先ずはイタリアのチーズの歴史から見て行きましょう。
チーズ製造の歴史はアラブで発見されたと長らく言われてましたが、最近になりヨーロッパのポーランドですでに紀元前5000年には食されていたということが判りました。その後、チーズ製造は衰退しましたが、古代ギリシャや古代ローマ時代には広く食べられていたという記録が残っています。中東からヨーロッパに徐々に広められたのですね。ローマ帝国衰退後も、ヨーロッパ中でチーズは愛され、中世の頃に修道院などで特殊なチーズを製造していたようです。
15世紀にバターが流行ると、ヨーロッパの山岳地帯に様々なチーズが生産されるようになりました。日本で北海道でチーズやバターが有名なのは、やはり寒い地域が生産に向いているからなのでしょうね。
イタリアのチーズは約450種類【代表的おすすめチーズの種類】
なんとイタリアのチーズは約450種類もあります。原料は主に、牛・水牛・羊・山羊の乳から作られます。北部イタリアでは牛乳を使うチーズが多く、中部イタリアでは羊、山間部は山羊、ナポリ近郊の海の近くは水牛を使うチーズが主流です。
欧州連合EUの特産品保護制度であり、イタリアにおける農産物などに対して、土地由来による差別化を認定するための制度、DOP(保護原産地呼称)やIGP(保護地理表示)として登録されます。似たようなチーズでも、地域や熟成期間により呼び方が変わるものもあります。
それではイタリアにはどのようなチーズがあるか、一緒に写真付きで見て行きましょう。
①イタリアンチーズの王様は【パルミジャーノ・レッジャーノ】Parmigiano Reggiano
パルミジャーノ・レッジャーノチーズは、北イタリア、パルマ、レッジョ・エミリア周辺の限られた地域で作られる牛乳のハードチーズです。あまりにも高価なチーズなので、銀行の金庫に保管され熟成されるほどです。熟成期間は平均24か月。イタリアチーズの王様です!
パルミジャーノ・レッジャーノの料理【ピアディーナとサラダ】
パルミジャーノ(パルメザン)チーズは、様々な料理の仕上げに上からかけられますが、そのまま食べるのも美味しいので筆者はサラダに混ぜたり、上の写真の様にサンドイッチ(ピアディーナ)にしてもいいですね。モデナの名物バルサミコ酢をかければシンプルなご馳走になります。
②世界3大ブルーチーズのひとつ【ゴルゴンゾーラ】Gorgonzola
世界三大ブルーチーズのひとつであるゴルゴンゾーラは、北イタリア、ミラノのあるロンバルディア州とトリノのあるピエモンテ州で牛乳から作られます。ミラノの北東にあるゴルゴンゾーラ村から名前は由来しますが、現在はその村では製造されていません。
主な種類に甘口の2か月程熟成されたゴルゴンゾーラ・ドルチェと、2か月以上熟成させる辛口のゴルゴンゾーラ・ピッカンテがあります。ドルチェは食べやすいので、そのままワインのあてに。ピッカンテは刺激のある青かび部分が多いので、料理に使うと良いです。
ゴルゴンゾーラを使ったイタリア料理【パスタやニョッキ】
上の写真はゴルゴンゾーラ・ソースのニョッキです。ニョッキはジャガイモからできています。ゴルゴンゾーラを使った料理は他にはリゾット、ピッツァ、ポレンタなどのソースがあります。
高脂肪なので高カロリーですが、クリーミーで病みつきになってしまう味です。青かびチーズは臭いけれど、食わず嫌いは損!日本の納豆の様な存在でしょうか?
③絶対食べて帰りたいフレッシュな高級チーズ【モッツァレッラ・ディ・ブーファラ】Mozzarella di bufala
手で引きちぎる(モッツァータ)方法で成形されるので、それが語源です。お餅のように弾力のあるチーズで、ピッツァの上にのせられたり、サラダに混ぜたりします。
ナポリのあるカンパーニア州のモッツァレッラが有名で、12世紀頃にサレルノで生まれたチーズです。牛乳で代用したものもありますが、水牛は搾乳量が少ないので100%水牛の乳で作られるチーズは高級品なのです。
フレッシュさが大事です。ナポリから電車で1時間半の距離のローマでも鮮度が落ちますし、買う前に食べろ!と言うのも聞くほどです。モッツァレッラは本場の南イタリアで絶対に食べて帰らなくてはなりません!
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④イタリア各地の特産【ペコリーノ】を!Pecorino
ペコリーノは羊のという意味で、イタリア各地で作られます。ペコリーノ・ロマーノは約2000年以上前から作られているイタリア最古の品種です。長期間保存を目的に作られるので塩分が多めです。
下の写真は筆者が先日食べた、ローマ郊外オスティアのリガトーニ・アッラ・アマトリチャーナ。ペコリーノ・ロマーノがたっぷり使われています。
ローマ近郊のペコリーノ・ロマーノ以外に有名なペコリーノチーズは、トスカーナ州のペコリーノ・トスカーノ、シチリアのペコリーノ・シチリアーノ、サルデーニャ島のペコリーノ・サルド、バジリカータ州のペコリーノ・フィリアーノ等があります。
それぞれ製法も熟成期間も違うので、見た目も味も特徴が違います。イタリア旅行中に各地で食べ比べてみましょう。トリュフやピスタチオ、トウガラシなど各地の特産の味が混ぜられてるのを見つけるのも良いですね!
珍しいチーズなのですが、サルデーニャ方言でカース・マルツゥという腐ったチーズを意味するものが存在します。ペコリーノ・サルドをもとにすることが多く、製造段階で意図的に成虫に卵を産み付けさせるため、うじ虫チーズとも呼ばれています。読者さんの食欲をなくすことになるので写真は載せませんが、サルデーニャ島の旅の途中で出会えたら、勇気のある人は味見をしてみてください。
⑤北イタリアでチーズ焼き【モンターズィオ】
モンターズィオ・チーズは、フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州、ヴェネト州で作られる、産地の山の名前が付けられた硬質チーズです。熟成期間は2~10ヶ月。
上の写真は筆者が食べてみたくて手作りした、モンターズィオとジャガイモを使った料理、フリコです。ローマでもこのチーズを手に入れるのは難しかったです。ぜひ北イタリアで探してみてください。
⑥軽い味わいで豆腐みたいな【リコッタ】Ricotta
リコッタチーズは再び煮たという意味の、羊か山羊、または水牛から作られる乳清チーズです。脂肪分が少なく甘みがあり、豆腐をつぶしたような触感で軽いです。
サラダやラビオリなどの詰め物パスタ料理に使ったり、上の写真のようにパイに入れられます。ほうれん草と混ぜる料理が多いです。
イタリアではお菓子にもチーズが!おすすめリコッタ入りチーズケーキはどれ?
先ほどご紹介したリコッタを使ったデザートもあります。ナポリに行ったら、リコッタ入りのクロスタータとスフォリアテッラというご当地デザートを食べましょう。
シチリアに行ったら、リコッタ入りのカッサータとカンノーロを。
ローマ在住筆者おすすめのバールでの朝ごはんは、リコッタチーズ入りの甘いパン。朝から元気に頑張りましょう。
イタリア代表チーズを使ったスイーツは【ティラミス】
ティラミスはイタリア料理ブームの何十年も前から日本で食べられているスイーツですね!マスカルポーネというクリーム状の濃厚チーズとコーヒーとカカオ、マルサラ酒のハーモニーが大人の味。マスカルポーネは北イタリア、ロンバルディア州の特産品です。
サルデーニャではチーズ揚げ菓子の【セアダス】
サルデーニャ島へ行くなら是非、セアダスを食べてもらいたいです。大きなラビオリのようなパスタにペコリーノ・サルドが挟まれ揚げてあり、上には蜂蜜がたっぷり。暖かいデザートです。
イタリアから日本へ、お土産でチーズはお持ち帰りできる?
イタリアからのお土産に、美味しいイタリア食材を持ち帰りたいと誰もが思うでしょう。しかし、日本への家畜の伝染病疾病の侵入防止のため2019年4月に大幅に検疫がとても厳しくなりました。
肉製品を日本に持ち込むのは一切禁止されています。基本的に、魚は生きていない状態なら大丈夫で、果物・野菜などの植物は、検査証明書及び入国時の検査が必要か禁止されています。ドライフルーツ、キノコ類とお茶は検疫対象外です。
しかし、基本的にチーズなどの乳製品は、機内持ち込み(携帯品)の場合は検疫対象にならないので、常温保存可能なチーズであればお土産にできます。スーツケースに入れてしまわないように!
全て商業用でなく個人のお土産として、機内の手荷物携帯品としてなら許されているので、重量には気を付けてください。食品に土や藁が付いているものは禁止です。機内持ち込みになりますので、水分が多いと没収されます!他の国を経由すればまた制度が変わるものもあります。せっかく買っても空港で取り上げられたらショックですよね!不法な持ち込みにより逮捕や罰金が科せられることもあります。
以上を見てみると、持ち帰れるチーズが限られてきます。イタリアから日本へお土産として持ち帰り可能なチーズは、ハードチーズなど固形になっているもの。お店で真空パックにしてもらうか、空港の免税店で買うと良いでしょう。常温保存可能なチーズは少ないと思いますので、保冷バックに入れましょう。
フレッシュチーズは持ち帰り不可なので、ゴルゴンゾーラやリコッタ、モッツァレッラは無理ですね。イタリアで思う存分、食べて帰りましょうね。
イタリアで思う存分、チーズを味わいましょう
上の写真はイタリア・カンパーニア州の小さな町のイベントで出会ったカチョカヴァッロという名前のひょうたん型のチーズです。上から紐で吊られた状態で保存され、暖められたチーズをトーストされたパンに塗って食べます。このようなイベント会場で、イタリアのストリートフードがいただけるとラッキーです。
今回はイタリアのチーズについてスポットを当て見てきましたが、いかがでしたでしょうか?食いしん坊の筆者にも忘れられない思い出のチーズの味があります。みなさんもイタリア旅行の楽しみのひとつとしていただけたらと思います。
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